笠岡市 甲弩神社(笠岡市文化財) |
長年の風雨に耐えたお堂の屋根野地の傷みは、屋根の流れの乱れ、不陸、軒の乱れを起こしています。
これをいかに修正するかが、大きなポイントになってきます。
瓦工事自体が大変な工事ではありますが、屋根下地があってこその瓦です。
野地の状態を瓦が一番納まりやすいように修正することが、全体工事の中で一番大切なものとなります。 |
気候風土によって、どこの産地の瓦が良いか、あるいはどんな形の瓦が良いか、本瓦葺き・改良本瓦葺き(飛鳥3号)・簡略瓦葺きなど、また宗思によって使う鬼瓦も違ってくる場合もあります。(鬼面・御所型・経ノ巻・拝立・丸立)
これらによって、お堂全体の表情も違ってきます。
神社仏閣の建物には、本堂から山門・鐘楼堂・手水舎・東司(かわや)など、大きな建物から小さな建物まであります。
当然、大きな本堂7間お堂なら1尺平、6間お堂なら9寸平、15坪ぐらいの鐘楼堂・山門なら8寸5分平、8坪くらいの物なら8寸平など、鬼瓦の大きさも基本的に隅先から隅先までの長さ0.035〜0.038がバランスの良い鬼の目安となります。
ただし、小さな建物(山門・鐘楼堂など)には当てはまらない場合もあります。
山門・鐘楼堂などは、8坪〜15坪くらいなものであれば、1尺〜1尺3寸(降棟の有る無しによって違ってくる)の鬼が目安となってくると思います。
これらのことは予算にも大きな影響を与えます。
神社仏閣の瓦工事は、堂宮の大工工事に木割りと言って、柱の寸法を決めることによって、その他の部材の寸法が決まってくるように瓦にもお堂の大きさによって使う瓦も変わってきます。
また、鬼瓦の大きさも変わります。建物に合った鬼の寸法の決め方など、堂宮のノウハウが分かっている工事業者、もっと言うなら施工実績のある職人が必要となります。
1. 流れ唐破風の横桟 不陸調整
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2. 飛鳥3号の瓦ぐり
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3. 流れ唐破風の軒瓦および平
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4. 流れ唐破風 縋部分の軒瓦の納め
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5. 流れ唐破風の谷 本瓦葺の縦桟
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6. 掛瓦と利根丸
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7. 飛鳥3号の地葺きと利根丸地・袖地
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8. 拝立の鬼面鬼
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9. 袖丸瓦
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10. 棟の鳥居とのし積み
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11. 棟の鳥居とのし積み
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12. 降り棟
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13. 隅棟と降り棟
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14. 左=飛鳥3号 谷瓦・谷巴 右=本葺瓦
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15. 大棟と降り棟
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16. 流れ唐破風の棟
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17. 全景
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18. 屋根全景
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